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酒造りの風景「米を蒸す(蒸し)」

——— 酒造りの工程「蒸米」 ———

麹・酒母・もろみを造る各工程で用いられるので重要な醸造工程

米を蒸すという事を「蒸米」といいます。蒸す事により白米重量の約10%の水分が吸収されます。蒸時間は蒸気が抜け渡ってから蒸しが終了するまでの時間をいいます。日本酒造りの工程のひとつ「蒸米(じょうまい)」についてご説明します。

酒造りではお米は「炊く」ではなく「蒸す」

食用のお米は通常炊くことでごはんとして食卓に並べられます。

しかし、日本酒を造るときはお米を炊くことはしません。

炊いたごはんはモチモチしていて美味しいですが、麹造りにおいては粘りが強いと作業性が悪くもろみに入れるとすぐ溶けてしまいます。

米が溶けすぎるとそこに含まれる雑味成分も一緒に溶けだしてしまうのです。

ある程度硬い蒸米を使うことで理想の麹菌を繁殖させる事ができます。

天寶一のこだわりとして「1に蒸し、2に蒸し、3に蒸し」

蒸米は麹・酒母・もろみを造る各工程で用いられるので重要な醸造工程の一つです。

日本酒を造るときのお米は洗って吸水させたお米を甑(こしき)という大型のせいろと窯を使って蒸すという作業を行います。

天寶一のこだわりとして、特別に改良してもらった甑(こしき)にて米の表面をさらっとさせる為、蒸気を乾燥させる機械を用いながら110℃の温度で蒸し上げます。

蒸し上がる10分前に140℃近くまで上げ、米の表面がさらっと、中身は水分がしっかりと入った内軟外硬(ないなんがいこう)な弾力ある蒸米を理想としています。あらかじめ木桶はオゾン水にて洗浄しておきます。

蒸し上がり後、麹米はすべて重量を計ります。米の品種によって「米洗い吸水後・蒸し上がり後・出麹後」水分の変化をデータ化する事で蒸し上がり時間等を決めています

米洗いや蒸し上がり時間、温度が適当だと米の表面がべたついてしまいます。この状態の蒸米を麹室で乾かすと糊状にくっつき、一粒一粒に麹菌が繁殖できなくなり、味が重く理想の酒質になりません。

天寶一では「洗米での限定吸水・蒸し上がりの蒸気温度・蒸し上がり時間」を今までの経験に基づき、弾力ある蒸米を造り米の表面はさらっと、そして米の芯にしっかりと水分を保った蒸米に仕上げています。

弊社のこだわりとして「1に蒸し、2に蒸し、3に蒸し」と、とにかく蒸し上がりにこだわる事が次の理想の麹に結び付きます。